朝晩はひんやりしてきたけれど、日中はまだ20度を超える日もある……。そんな季節に迷うのが、「お弁当に保冷剤はまだ入れたほうがいいの?」という問題です。
Yahoo!知恵袋の総合ランキングでも、「最高気温が23度くらいなら、朝作ったお弁当に保冷剤はいらない?」という質問が上位に入っていました。同じように迷っている人は多いようです。
この記事では、秋のお弁当と保冷剤の考え方、そして保冷剤以外にできる食中毒対策をわかりやすく紹介します。
目次
結論:最高気温20度台なら、まだ保冷剤を入れるのが安心
結論からいうと、日中の最高気温が20度を超えるような日は、保冷剤(できれば保冷バッグも)を使うほうが安心です。
理由はシンプルで、食中毒の原因になる細菌の多くは、人の体温に近い温度でもっとも増えやすく、10度以下になると増え方がゆっくりになるとされているからです。
外の気温が23度くらいでも、お弁当が置かれる場所はそれより暖かいことがよくあります。
- 日の当たる窓ぎわの机
- 暖房が入り始めたオフィスや教室
- 人の体温が伝わるカバンの中
- 車の中
こうした場所では、お弁当の温度が20度台後半まで上がることも考えられます。「涼しくなったから大丈夫」と思っても、置き場所しだいでは細菌が増えやすい温度になってしまうんですね。
保冷剤がいらなくなる目安は?
保冷剤を入れる時期について、法律や公的機関による「〇月まで」といった決まった基準はありません。ひとつの考え方として、「最高気温が20度を超える日は入れる」という目安がよく紹介されています。
東京あたりなら、おおむね5月〜10月が保冷剤の季節。ただ、11月でも暖かい日は20度を超えることがあるので、月で決めるより「その日の最高気温」と「置き場所」で判断するのがおすすめです。
次のような場合は、気温が低めでも保冷剤を入れておくと安心です。
- 作ってから食べるまで5〜6時間以上あく
- 置き場所が暖房の近くや日なた
- 卵焼き、マヨネーズあえ、ハムなど傷みやすいおかずが入っている
- 小さな子どもや高齢の家族のお弁当
保冷剤の効果的な入れ方
保冷剤はお弁当の「上」に
冷たい空気は上から下へ流れるので、保冷剤はお弁当箱のふたの上にのせると全体が冷えやすくなります。夏場なら上と下ではさむとさらに効果的です。
保冷バッグとセットで使う
保冷剤だけをハンカチで包むより、保冷バッグに入れたほうが冷たさが長持ちします。ウェザーニュースが紹介した実験でも、保冷剤入りの保冷バッグがいちばん細菌の増加をおさえたという結果が出ています。
凍らせたゼリーや飲み物を活用
保冷剤のかわりに、凍らせたゼリーやパックのお茶を入れる方法もあります。お昼にはちょうど食べごろ・飲みごろになるので一石二鳥ですよ。
保冷剤以外にできる食中毒対策
食中毒予防の基本は、「つけない」「増やさない」「やっつける」の3つ。保冷剤は「増やさない」ための工夫のひとつです。あわせて、次のポイントも押さえておきましょう。
- 手と調理道具を清潔に…調理の前や、生の肉・魚をさわった後はしっかり手を洗う
- 中までしっかり加熱…中心部が75度で1分以上を目安に。卵焼きも半熟は避ける
- しっかり冷ましてからふたをする…温かいままふたをすると、水滴がたまって傷みやすくなる
- おかずの汁気をきる…水分は細菌が増える原因に。煮物は汁をよくきる
- 前日のおかずは再加熱…作り置きは詰める前にもう一度加熱して、冷ましてから詰める
- 素手で詰めない…清潔な箸やラップを使う
こんなお弁当は食べずに処分を
もし、お弁当を開けたときにいつもと違うにおい、ぬめり、糸を引く、すっぱい味などがあれば、もったいなくても食べずに処分しましょう。
ただし、細菌が増えていても見た目やにおいが変わらないこともあります。「見た目が大丈夫だから平気」とは限らないので、そもそも細菌を増やさない工夫がいちばん大切です。
秋に気をつけたいお弁当のおかず
気温が下がる秋でも、とくに傷みやすいおかずがあります。次のようなおかずを入れる日は、保冷剤をいつも以上にしっかり使いましょう。
- 卵料理…半熟のゆで卵やとろとろの卵焼きは避け、しっかり火を通す
- マヨネーズあえ・ポテトサラダ…水分が多く、具材から菌が増えやすい
- ハム・ちくわなどの加工品…そのまま入れず、さっと加熱してから冷ます
- 炊き込みご飯・混ぜご飯…具材が多いぶん傷みやすい
- カットフルーツ…別の容器に入れて、保冷剤の近くに置く
反対に、梅干しやお酢を使ったおかず、しっかり味つけした炒め物などは比較的傷みにくいとされます。ただし「入れておけば安心」というわけではないので、基本の対策と組み合わせて使ってくださいね。
まとめ
- 最高気温が20度を超える日は、秋でも保冷剤を入れるのが安心
- 細菌は人の体温に近い温度で増えやすく、10度以下で増え方がゆっくりになる
- 月より「その日の最高気温」と「置き場所」で判断する
- 保冷剤はふたの上にのせて、保冷バッグと一緒に使うと効果的
- しっかり加熱・しっかり冷ます・汁気をきる、も忘れずに
涼しくなると油断しがちですが、お弁当の食中毒は秋でも起こります。保冷剤ひとつで安心が増えるなら、迷ったときは入れておくのがおすすめです。